第19期プロコン育成塾受講生へのメッセージ(第3講 担当講師 加藤 慎祐)

第19期受講生のみなさん、第3講「業種別の着眼点と分析のセオリー」の製造業パートを担当する加藤慎祐です。

私は電機メーカーに21年間勤務した後退社し、中小企業診断士の資格を取得しました。試験に合格する前に会社を辞めましたので、多くの方々が資格取得後に直面する「独立するか企業内に留まるか」という悩みは経験しておりません。ただ、診断士にはなったものの、将来の方向性や業界での振舞い方などで迷うこともあり、一度、先輩方の意見や事例に触れたいと考え、当塾の第11期を受講して現在に至ります。

さて製造業は、現場で目に見えてモノが動くため、比較的全貌を理解しやすい業種と言えます。しかし、その裏側には、技術開発、品質管理、生産性向上などについて改善を積み重ねてきた先人達の創意工夫があり、同時に陥りやすい弱点も存在しています。これらをきちんと把握するためには、市場、技術、生産、品質、物流、販売、およびそれらを支える戦略、人材・組織、財務など広範囲にわたる項目への目配りが必要です。

この講義では、製造業の診断に際してチェックするべき要素を説明し、その後の分析に繋げるための考え方についてお話しします。一口に製造業と言っても、長さ1mmに満たない部品の加工から、食品や医薬品、家電品や自動車、さらには航空機やロケットの製造に至るまで、幅広い製品分野が該当します。すべてについては解説できませんが、皆さんが診断実習でまずは必要になると思われるポイントをご紹介します。

製造業は、診断士であれば支援を求められる確率が高い業種です。また、診断の経験を通じて得られた知見は、他業種の支援にも十分応用ができるものです。製造業は未経験という方々も、この機会に診断のコツを学んでいただければと思います。
それでは、開講日に皆さんとお会いするのを楽しみにしております。