第16期プロコン育成塾 第5回が開催されました!

プロコン育成塾 第5回を11月21日(土)に開催しました。兵庫県でも新型コロナの感染拡大が続いていましたが、コロナ対策を施し、懇親会は中止としたうえでの実施となりました。

第5講は、西嶋講師による「セミナー・研修の企画&受注の具体的方法」の講義です。
「選ばれる研修講師になるためには、話し方も大事だが、それよりも大事なことがある。研修では自分独自の考えを伝え、実施した結果、実際その企業に貢献しないと意味がない。リピート、さらにはコンサルティングにまで繋がることが理想である」と伝えられました。
セミナー・研修を手掛けることのメリットとデメリットについても説明がなされました。
コンサルティング重視でやっていきたいという人にとっても、セミナー・研修は無縁ではなく、相乗効果が生まれることを、その理由とともに説明いただきました。
パワーポイントを作るだけでなく、ケーススタディやワーク・ゲームなどを活用することが効果的であり、そのツール類の作り方についてもご自身の実例・実物をもって伝えられました。
「研修会社との付き合い方も非常に大事であり、どれだけ自分が貢献できるか、気持ちとしては研修会社をコンサルするつもりで様々な提案をするなど、意識している」とも述べられました。

独立すればセミナーで登壇する機会が数多くあるものですが、セミナー講師として独立したい人はもちろん、そうでない人にとっても、普段は知ることのできない講師業の裏側に初めて触れた方も多かったのではないでしょうか。興味深そうに講義に聞き入る塾生方々の姿が印象的でした。

第6講は、伊藤講師による「プロコンに求められる文章力・書類作成能力」です。

言葉を使いこなすことは、プロコンに必須の技能です。講義では、まずは実際に研究会で使われたサンプル文をもとに、どこをどう変えると読みやすくなるか、受講生に問いかけることで、講義内容の趣旨が伝えられました。

次に、新聞社での勤務経験やコンサルティングの実務の中で体得した独自のノウハウに基づいて、良い文章を書くための3つのポイント、「わかりやすい文章」「説得力がある文章」「思いが伝わる文章」についてお話されました。

言葉の選択一つをとっても、状況や文脈に応じた正しい言葉を選択ができていなければ、文章全体のニュアンスが全く変わってしまい、読み手に正しく伝わらないことがあるものです。この他にも多くの事例を示しながら、「どうすれば良い文章になるのか」について解説されました。

加えて、良い文章を書くには推敲が大事であることをはじめ、いくつかの考え方や技法が紹介されました。推敲については、読んでみて違和感がある文章は、書き手の意図や説明を正しく表現できていません。塾生におかれては、診断先企業への報告書作成に際して、ぜひ何度も推敲を重ねていただきたいものです。

第7講は、引き続き伊藤講師よる「説得力を高めるプレゼンテーション方法」の講義でした。

プロコンは人前で話す機会が多いため、プレゼンテーション能力も必須のスキルです。
「自分がその講義で何を伝え、受講者にどう変わってほしいのか」が大事であると説明されました。プレゼン資料の作成方法や話し方などのスキルやテクニックも大切ですが、それ以上に「全人格・全精力を傾けて存在感が伝わるようにすること」「自らの思いや考えを明確にした上で、しっかりと伝えていくこと」が肝要であると説明されました。

さらに、伊藤講師自身が心掛けていることやプレゼン力を高めてきた方法を、実例を交えながら伝えられました。プレゼンテーションの基礎となる姿勢や服装にはじまり、板書時の所作、タイムマネジメント、内容面などの解説はどれも具体的で、すぐに実践できるものばかりです。
自分なりの理論、自分なりのフレームワークを日々蓄積することでオリジナリティが増します。築き上げられたツールは研修とコンサルティングの双方に活かされ、行ったり来たりしていると説明がなされました。テーマを跨いでも、第5講で西嶋講師が伝えていたことに同じです。

塾生は、本質の説明と具体的な振舞いを知り得た講義を通して、プロコンとしてのあるべき姿を追求し続けることこそがプレゼンテーションの質を高めると、学んだのではないでしょうか。

その後は、塾生によるプレゼン演習です。

塾生は、前回のグループワークでアドバイスを受けた「経営診断の経過と今後の方向性」を題材に、「経営者に対して報告する」という前提でプレゼンテーション演習を行いました。
発表時間は1人5分です。緊張する受講生が多いことは否めませんが、プレゼンテーション経験が少ない人にとってはフィードバックをもらえる貴重な機会となります。発表後には講師から具体的な改善意見や容赦ないダメ出しがあります。視線や姿勢など自分では気づけない癖をはじめ、タイムマネジメント、聞き手が知りたいことを伝えるための工夫など、学びと気づきが多く、熱心にメモをする姿が見られました。

今期における座学カリキュラムに限っては、本日を以て全て終了しました。
次回は2日間にわたり、経営診断報告会の演習を行います。暦上まだ1ヶ月ほど時間がありますが、充実した分析や提案を仕上げるには、長いような短いような、受講生にとっての感じ方はまちまちだと思われます。
演習には、前期(第15期)までの修了生も出席します。発表を見守るとともに、先輩の立場で忌憚のない改善意見を差しのべます。受講生には、精一杯の力を発揮してくれることを期待しています。