第21期プロコン育成塾受講生へのメッセージ(第2講 担当講師 西口延良)

私は企業内診断士としてレベルアップを図るために、当塾の第5期を受講しました。プロコンの魅力を大いに感じていましたが、受講後は自分自身の実力不足を痛感し、40歳前半で独立するのはまだ早いと企業内診断士を継続していました。しかし、同期や後輩の塾生達がプロコンとして独立して活動していることに大いに刺激を受け、48歳となった平成27年4月に独立開業しました。今年で独立後10年が経過し、現在に至っています。

私は「中小企業特有の財務診断」を担当させていただきます。受講生のみなさんは、中小企業診断士として財務の専門性を有していると言えます。売上高営業利益率や自己資本比率等の財務分析の知識は理解されているということを前提に、財務の教科書には記載されていない財務診断の実践的な活用方法について、具体的な事例を通じて重点的に説明し、理解を深めていただきたいと思っています。

金融庁は、金融機関の担保・保証人依存による融資からの脱却を目指し、事業性融資への取組を促す施策の一つとして、企業価値担保権の創設等を内容とする「事業性融資の推進等に関する法律」(事業性融資推進法)を2024年6月に成立させました。2026年度の施行を目指して、「事業性融資推進プロジェクト・チーム」を発足させ、政府令の整備等を進めています。現時点において、事業性融資推進法や企業価値担保権の具体的な内容は明示されていませんが、地域金融機関の融資先における企業価値を把握していこうとするニーズが高まっているなかで、我々のビジネスチャンスも広がっていくことが想定されます。

以上をふまえ、地域金融機関の融資先である中小企業の支援において、受講生のみなさんの専門性や独自性を発揮し、これらの中小企業から求められる存在になることを期待します。本年度も講師としての機会をいただいたことに感謝し、21期生のみなさんとお会いすることを楽しみにしています。