第21期プロコン育成塾受講生へのメッセージ(第3講・第4講・第5講 担当講師 加藤慎祐)
第21期受講生のみなさん、第3講(製造業パート)、および第4講、第5講を担当する加藤慎祐です。私は電機メーカーに21年間勤務した後、退職して中小企業診断士の資格を取得しました。その後、実務補習を経て開業しましたが、コンサルタントとしての方向性や仕事のとり方などで迷うこともあり、当塾の第11期を受講して現在に至っております。
第3講「業種別の着眼点と分析のセオリー」でお話しする製造業は、診断士の勉強をしてきた皆さんにとって、比較的イメージがしやすい業種でしょう。この講義では、製造業の診断に際して確認するべき要素や、分析に結びつけるための考え方をお伝えします。製造業は、診断士として支援のニーズが大きく、さらに診断の経験を通じて得られる知見は、他業種の支援にも応用可能です。未経験の方も、この機会に診断のコツを学んでいただければと思います。
第4講「本質的原因の掴み方」では、経営診断におけるロジックを扱います。現状分析と原因分析、抽象度に配慮した問題の切り分け、それらを再構成する手順について解説します。あわせて、これらの分析に欠かせないヒアリング技法にも触れます。
続く第5講「改善提案、診断ストーリーの組み立て」は、経営者への報告や提案に関する講義です。企業診断の過程では陥りがちな落とし穴が存在しますので、それらの原因を明らかにしながら、説得力のある診断を行うための要点をご紹介します。
第4講と第5講は、コンサルティングの根幹をなす内容であり、診断士資格の取得過程で誰もが学んだはずの領域です。しかし実際の企業や経営者を前にすると、目の前の情報に引きずられ、表面的な分析や思いつきレベルの提案に留まってしまうケースが、毎年12月の報告会では少なからず見受けられます。企業にはそれぞれ固有の事情がありますが、同時に経営の観点では共通する要素も存在します。診断においては、この個別性と普遍性の双方を押さえつつ、経営者に寄り添いながら助言することが求められます。講義と診断実習を通して、皆さんにはぜひこうした姿勢を身につけていただきたいと願っています。
それでは、開講日に皆さんにお会いするのを楽しみにしております。