第20期プロコン育成塾受講生へのメッセージ(第2講 担当講師 西口 延良)

私は企業内診断士としてレベルアップを図るために、当塾の第5期を受講しました。受講後はプロコンの魅力を多いに感じましたが、自分自身の実力不足を痛感し、40歳前半で独立するのはまだ早いと企業内診断士を継続していました。しかし、同期や後輩の塾生達がプロコンとして独立して活動していることに大いに刺激を受け、48歳となった平成27年4月に独立開業し、現在に至っています。

私は「中小企業特有の財務診断」を担当させていただきます。受講生のみなさんは、中小企業診断士として財務の専門性を有していると言えます。売上高営業利益率や自己資本比率等の財務分析の知識は理解されているということを前提に、財務の教科書には記載されていない財務診断の実践的な活用方法について、具体的な事例を通じて重点的に説明し、理解を深めていただきたいと思っています。

中小企業診断士の資格の認知度が高まり、2016年に日本経済新聞社が行った「ビジネスパーソンが取得したい資格ランキング」では、中小企業診断士が第1位を獲得しました。中小企業診断士の資格取得者は毎年増加しており、平成13年度の第2次試験の合格者は627名でしたが、令和5年度は1,555名となっています。仕事の機会を求める中小企業診断士が増加するなかで、我々が所属するコンサル業界においては、ブルーオーシャンからレッドオーシャンに移行していると感じています。

以上をふまえ、中小企業診断士としてスキルアップを図ることは必須ですが、他の中小企業診断士にはない専門性や差別化を発揮しないと、生き残っていけない厳しい環境下にあると言えるでしょう。当塾のカリキュラムを通じて、プロコンとしての方向性を見つけていただくことを期待しています。本年度も講師としての機会をいただいたことに感謝し、20期生のみなさんとお会いすることを楽しみにしています。