第17期プロコン育成塾 第2回が開催されました
令和3年9月4日(土)、第17期プロコン育成塾 第2回が開催されました。
今回も広い会場を確保し、感染症対策に留意しながらの実施です。
前半は、柳講師による第2講「経営コンサルティングの具体的な進め方」の講義です。当塾で脈々と受け継がれてきたノウハウを、柳講師の経験も交えながらお伝えいただきました。まず、「理解」と「納得」を得て行動を促す重要性についてお話がありました。「理解」を得るには、経営コンサルタントが提示する問題点や解決策について客観性と合理性が求められます。「納得」を得るには、相手の実態に応じた柔軟性や会社を良くしたいという熱意が必要です。これらが最終的に経営者や従業員の行動を変革させることにつながります。
次に、経営診断の具体的な進め方のうち、事前分析、ヒアリング、SWOT分析、問題点の原因分析に関する説明がありました。SWOT分析を適切に行って課題を設定するには、会社の目指す姿をおさえる必要があります。講義では、会社の目指す姿を聞き出すヒアリングのコツについても紹介がありました。
午後からは、改善策とアクションプランの立案、損益計画の作成、報告書のまとめ方などの説明がありました。重要な考え方をすべて吸収しようと、塾生はメモを取りながら熱心に聞き入っていました。「経営者や従業員を巻き込んで改善を進めるコツ」や「信頼関係の築き方」についての質問が上がり、塾生の積極的に取り組む姿勢が印象的でした。
後半のはじめに、後藤アドバイザーによるグループワーク「本質的原因の掴み方と効果的なヒアリング」が実施されました。経営診断プロセスの「問題点の原因分析」と「ヒアリング」に焦点を当てた内容です。本質的原因の掘り下げができないと、課題や改善策が表面的な対応となり、効果が出ないどころか悪化する恐れもあります。今回は4つのワークを通じてロジカルシンキングを体験しました。また、会社の強みや弱み、あるべき姿を把握するには、ヒアリング力が欠かせません。三人一組となり、インタビューする人、される人、フィードバック者に分かれて、ヒアリング実習をしました。
本日最後のカリキュラムは、西口講師による第3講「中小企業特有の財務診断」です。中小企業診断士として財務分析の知識を有していることを前提に、一般的な教科書には記載されていない財務分析の実践的な活用方法についてお話いただきました。また、コロナ禍で資金繰りに苦慮する企業が増えています。キャッシュフローや資金繰りを把握する重要性についてもお話いただきました。
その後は、診断先発表に先立ち、吉田アドバイザーより「初回訪問時の注意事項」の説明がありました。初回訪問では診断先のニーズや今後の進め方などを確認しますが、念頭に置いてほしいのは関係性の構築です。関係性がなければ本音は話しません。また、アドバイスを快く受け入れることもできません。初回訪問がうまく進むよう、期待される事前準備と当日の行動について説明がありました。
最後に、経営診断実習の担当企業(業種)と担当講師・アドバイザーが発表されました。
小畑塾長からは、「軽い気持ちでは任せられない。診断先にとっては練習ではない。本番として真剣に取り組んでほしい。それが皆さんの成長につながる」と厳しいながらも塾生を思う励ましのお言葉がありました。
本日は経営診断を進めるうえで中心となる3つのカリキュラムが続きました。今後、塾生は講義と並行して、経営診断実習をしていきます。
終了後、担当講師と初回訪問に向けた打ち合わせがありました。塾生は自身の担当先を知って一段と気合いが入った様子です。長い一日の後でしたが、会議室が閉まる時間ギリギリまで質疑や相談が続きました。
振り返りシートへは、「本日の内容を踏まえ、ヒアリングの準備を進めていく」「企業を担当する責任の重さを実感できた」などの記入がありました。塾生の今後の成長が楽しみです。