第15期プロコン育成塾 第5回が開催されました!

すっかり涼しくなり秋の訪れを感じる中、プロコン育成塾 第5回を11月9日(土)に開催致しました。
第5講は、西嶋講師による「セミナー・研修の企画と受注の具体的方法」の講義です。

まず、選ばれる研修講師になるために、いかに差別化をするかについて解説がありました。
中小企業診断士の資格を持たないプロの研修講師は大勢います。
その中で、中小企業診断士としての講師業は「研修テーマの課題解決に向けた意識改革コンサルティング」であり、自分の主義主張を持って、独自色を出していくことが、選ばれる研修講師になるために大切な要素であると伝えられました。

そして、研修講師としてありたい姿は、「自分の主義主張に主催者や受講者が納得・共感し、セミナー・研修のリピートや新規案件、コンサルティングの受注につながること」であると、実例を交えて説明いただきました。
そのために重要なのは、主催者のねらいである研修目的を達成するのは当たり前であり、期待値を超えてこそ評価されると強調されていました。
期待値を超え、高いレベルで研修目的を達成すると研修エージェントから信頼されます。
そうなると、通常は研修テーマが定められているエージェント経由の仕事であっても、企画段階から相談されるようになり、自分の主義主張を反映しやすくなります。

また、研修・セミナーの仕事を始めるにあたって、自主開催と研修エージェントの違いやメリット・デメリットの解説に始まり、研修エージェントを選ぶ際に気をつけたいこと、研修エージェント側の講師の選定基準について、経験に基づいた具体的な説明とアドバイスがありました。

独立すればセミナーで登壇する機会が数多くあるものですが、セミナー講師として独立したい人はもちろん、そうでない人にとっても、普段は知ることのできない講師業の裏側にも触れた方が多かったのではないでしょうか。興味深そうに講義に集中している塾生の方々の姿が印象的でした。

第6講は、伊藤講師による「プロコンに求められる文章力・書類作成能力」です。

文章を書くことは、プロコンに必ずついて回ります。
伊藤講師はかつて新聞社に勤務した経歴を持っています。
講義では、その経験やコンサルティングの実務の中で体得した独自のノウハウに基づいて、良い文章を書くための3つのポイントをお話しされました。
その3つのポイントとは、「わかりやすい文章」、「説得力がある文章」、「思いが伝わる文章」です。

例えば、言葉の選択一つをとっても、状況や文脈に応じた正しい言葉を選択ができていなければ、文章全体のニュアンスが全く変わってしまい、読み手に正しく伝わらないことがあるものです。
講義ではこの他にも多くの事例を示しながら、「どうすれば良い文章になるのか」について解説されました。

他にも、良い文章を書くには推敲が大事であることなどを説明されました。
読んでみて違和感がある文章は、書き手の意図や説明を正しく表現できていません。
違和感がなくなるまで校正すること、違和感があれば辞書で必ず確認することなど、受講生にわかりやすく説明されていました。
塾生におかれては、診断先企業への報告書作成に際して、ぜひ何度も推敲を重ねていただきたいものです。

第7講は、引き続き伊藤講師よる「説得力を高めるプレゼンテーション方法」の講義でした。

プロコンは、セミナーや研修の講師として人前で話す機会が多いため、プレゼンテーション能力は必須のスキルといえます。
プレゼン資料の作成方法や話し方などのスキルやテクニックも大切ですが、形式にこだわらずに“自分を出す”こと、経営者に“これを伝えたい”という使命感や志をもって話すことが肝要であると説明されました。
テーマは異なれども、第5講で西嶋講師が伝えていたことと、本質は同じです。

他にも、伊藤講師自身が心掛けていることやプレゼン力を高めてきた方法を、実例を交えながら伝えられました。
プレゼンテーションの基礎となる姿勢や服装にはじまり、板書時の所作、内容面などの解説はどれも具体的で、すぐに実践できるものばかりです。

最後に、塾生に贈られた「コンサルタントとしての使命感をしっかり持って、プレゼンテーション力を高め続けることを常に意識してください」という激励の言葉が、心に残りました。
塾生の方々は、具体的な方法と本質を交えた講義を通して、プロコンとしてのあり方をいつも真摯に追求し続けることこそが、プレゼンテーションの質を高めることを学んだのではないでしょうか。

その後は、塾生によるプレゼン演習です。


各塾生が、前回アドバイスを受けた「経営診断の経過と今後の方向性」を題材に、全員の前でプレゼンテーションの演習を行いました。発表時間は一人5分間です。
発表後には講師から具体的なフィードバックがあります。視線や姿勢など自分では気づけない癖をはじめタイムマネジメント、聞き手が知りたいことを伝えるための構成方法など、学びと気づきが多く、熱心にメモをする姿が見られました。

第15 期の座学カリキュラムは、この日ですべて終了しました。
次回は2日間にわたり、約2か月間取り組んだ企業診断の報告演習を行います。
次回の報告会演習は、第14期までの修了生も見守る中で、精一杯の力を発揮してくれることと期待しています。