第21期プロコン育成塾 第4回を開催しました

11月1日(土)にプロコン育成塾 第4回を開催しました。

午前中は、「プロコンの商品づくりと仕事のとり方」です。プロコンとしての成長ステージを下記の3段階に分類し、4名の講師がそれぞれの経験や大切にしてきたことを伝える講義を行いました。

・1stステージ=独立して間もない段階

・2ndステージ=公的機関中心の段階

・3rdステージ=民間企業中心の段階

最初に橋本講師より、1st&2ndステージ時代の自身の下請け仕事や公的機関(よろず支援拠点など)の業務経験にもとづいた話がありました。中でも、相談業務を通じて経営者の「命がけの仕事」を目の当たりにして、その苦労や想いの深さを理解できたという話が特に印象的でした。また、公的機関と民間企業で仕事の優劣があるわけではないが、専門家に期待される能力やその優先順位が異なることについての解説がありました。さらに、受講生は今のこの時期から様々な人と出会い議論を重ねることで、自らの考え方を明確にし、それを中小企業診断士としての生き方や目的意識につなげることが重要であると強調されました。プロコンとして長期的に活躍するには限られた24時間の使い方を意識して、仕事・自己研鑽・家族・健康管理のバランスを考えてほしいという助言もありました。

続いて、柳講師・西本講師・上田講師から、それぞれ3rdステージに関する講義がありました。

柳講師からは、「3rdステージまでの軌跡」に関する話がありました。特に独立4年目まで苦労された経験談に、塾生も真剣に耳を傾けていました。商品づくりについては、独立初期(1st&2ndステージ)にどんな仕事も断らずにがむしゃらに挑戦した結果、自分に合う事業再生の分野に専門性が絞られたと話がありました。
仕事のとり方で強調されたのは、「基本動作(期限厳守等)の徹底」、「汗をかくこと」、「言い訳は絶対にしない」などです。

西本講師からは、中小企業診断士の資格取得後、民間企業中心の3rdステージを直接目指した経緯の紹介がありました。
売上げは「客単価 × 客数」で構成され、客単価は「能力」と「個性」を組み合わせた「提供価値のレベル」、客数は情報発信力による「育成力」であるという独自の売上方程式について説明がありました。また、公的な仕事が「取ってくるもの」であるのに対し、プロコンの仕事は「つくるもの」(ニーズの掘り起こし)という言葉が印象的でした。

上田講師からは、「無いものは必ず持ってくる」というポリシーのもと、独自のコンサルティング・スタイルを確立してきた経緯についての話がありました。特に専門分野に固執せず、状況に応じて必要な能力を身につけて対応しているという話が印象的でした。そのために、毎日の論文・書籍の読み込みや徹底的な調査分析といったハードな取り組みが必要だということ、仕事のとり方については意識的に取りに行くのではなく人間性を磨くことが経営者との信頼関係につながることなどについて、とても示唆に富む話がありました。

3rdステージ講義終了後の質疑応答では、塾生から「顧問料の決め方は!?」「客観と感情の使い分けは!?」といった実践的な質問が飛び交い、活発な意見交換の場となりました。

午後は、経営診断実習に関する経営診断サマリーのグループ討議です。塾生3~4名と講師2名程度でグループを作り、各担当塾生が経営診断の進捗状況や問題点、課題などを報告します。それに対して、他の塾生や講師からさまざまな質問やアドバイスが飛び交います。これにより、塾生は自分の診断に対して意見を得られるだけでなく、他の塾生の発表に対してコメントすることで新たな視点や気付きを得られます。最後に担当の講師から、現状分析やヒアリングの精度、論理構成の整合性などについて具体的な指摘があり、各自の改善点や報告書作成に向けた課題が明確になりました。

次回のプレゼン演習、そして12月の経営診断報告会に向けて、塾生の皆さんには今回のアドバイスを最大限に活用し、充実した報告書の完成を目指していただきたいと思います。