第17期プロコン育成塾 第5回が開催されました

プロコン育成塾 第5回を11月6日(土)に開催しました。

第5講は、伊藤講師による「プロコンに求められる文章力・書類作成能力」です。

言葉を正しく使いこなすことは、プロコンに必須の技能です。はじめに、中小企業診断士はどのようなジャンルの仕事をしていても言葉からは逃れられない、言葉が命の仕事であるとの説明がありました。講義はミニワークから始まりました。サンプル文をもとに、どこをどう変えると読みやすくなるか、塾生が実際に手を動かすことにより体感する形で、講義内容の趣旨が伝えられました。

次に、良い文章を書くために大切なポイントとして、「わかりやすい文章」「説得力がある文章」「思いが伝わる文章」の3つを挙げた後、それぞれどのようにしていけばよいか具体的に説明がありました。
言葉の選択一つをとっても、状況や文脈に応じた正しい言葉を選択ができていなければ、文章全体のニュアンスが全く変わってしまい、読み手に正しく伝わりません。伊藤講師の解説は、新聞社での勤務経験やコンサルティング実務の中で体得した独自のノウハウに基づいており、説得力があります。

終盤には、講義内容と冒頭のミニワークを紐付けたラップアップ(最後のまとめ)がありました。「どうすれば良い文章になるのか」を考えさせられ、頭の整理となります。講師独自のコンサルティングに関する考え方・進め方との繋がりについても伝えられ、塾生は言葉の大事さをあらためて感じたことでしょう。診断先企業への報告書作成に際して、ぜひ何度も文章の推敲を重ねていただきたいと思います。

第6講は、中村講師による「セミナー・研修の企画&受注の具体的方法」の講義です。

出だしから、プロコンになるための「セミナーの戦略的活用」という言葉があり、今後プロコンを目指す者としては、まず惹きつけられたことでしょう。講師業の種類・内容・特徴および類型の説明があり、その中における診断士としてのあるべき姿についても触れられました。受注ルートの違いによるメリット・デメリットの解説もありました。セミナーコンテンツにつき、独立直後に作成したものと、結果的に売れまくった完成形との比較は、ビフォーアフターの違いや改善ポイントがよくわかって、とても参考になります。エージェントとの接し方、満足度を高める講義のポイントなど、セミナーに力点を置く中村講師ならではの視点で講義は進みました。

続いて、自分にはどんなオリジナルテーマがあるのか、グループになって塾生各自が強みの棚卸をし合いました。コンサル重視の人にとってもセミナーを手掛けることは無縁でなく、コンサル案件に繋がるという循環、自分のコンテンツを体系化できるといった効果についても語られました。普段は知ることのできない講師業の裏側に初めて触れた方も多かったのではないでしょうか。独立すればセミナーで登壇する機会が多くあるものですが、セミナー講師として独立したい人はもちろん、そうでない人にとっても興味深い内容が多く、投影スライドからメモをとる塾生方々の姿が印象的でした。

第7講は、引き続き中村講師よる「説得力を高めるプレゼンテーション方法」の講義でした。

プロコンは人前で話す機会が多いため、プレゼンテーション能力も必須のスキルです。中村講師の講義は、その立ち居振る舞い、ワークの解説自体がプレゼン見本となります。講師自身が心掛けていることやプレゼン力を高めてきた方法につき、実例を交えながらの説明がありました。プレゼンの基礎となる姿勢や服装にはじまり、タイムマネジメント、内容面など、解説はどれも具体的で、すぐに実践できるものばかりです。オンライン時代の意思表示方法など、時流を捉えた話も興味深いものでした。
講義では「安定感のある話し方実演」「プレゼン競争」など、様々なワークを取り入れて実体験しました。組になって塾生同士が容赦なく指摘し合ったことで、当事者意識が高まったことでしょう。

その後は、塾生によるプレゼン演習です。順番を決めると、緊張感が一気に高まりました。

この場は、自身のプレゼンに対し客観的意見をもらえる、貴重な機会となります。塾生は、前回のグループワークでアドバイスを受けた「経営診断の経過と今後の方向性」をもとに、「経営者に対して報告する」という前提でプレゼンしました。
発表時間は1人5分で、発表後には講師から具体的な改善意見や厳しいフィードバックがあります。視線や姿勢など自分では気づけない癖をはじめ、タイムマネジメント、スライドの改善点、聞き手への伝え方の工夫など、学びと気づきが多いことが、フィードバックを受けた塾生の表情から感じ取れました。

今期における座学カリキュラムは、本日を以て全て終了となりました。
次回は2日間にわたり、約2か月間取り組んだ企業診断の報告演習を行います。演習には、前期(第16期)までの修了生も出席し、先輩の立場で忌憚のないアドバイスをしてくれます。塾生には、精一杯の力を発揮してくれることを期待しています。