第14期プロコン育成塾 第2回が開催されました!

台風21号による影響が残る中、プロコン育成塾 第2回が9月8日(土)に開催されました。

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 前半は、大場塾長による第2講「経営コンサルティングの具体的な進め方」についての講義です。事前準備から初回訪問時の注意点、問題点の洗い出し、原因分析、改善策の立案など各ステップの核心について、塾長自身の30年に亘る経験を踏まえた説明がありました。

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 経営コンサルティングの本質は、「経営者の考え方を変え、行動を変革させること」です。そのためには最終報告まで待たずに、可能な範囲で初回訪問時からアドバイスをしていくことが大切です。また、問題点を把握するためには「汗をかいて現場に足を運ぶ姿勢」が重要であり、その方法も紹介されました。

 午後からは、ヒアリング時に活用できる、カウンセリング技術の基本を学びました。経営者に気持ちよく本音を話してもらうためには、傾聴スキルが必要です。塾生は、二人一組でのロールプレイングを通じて、相手の話を傾聴する姿勢と方法を体験しました。

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 これらコンサルタントとしての心構え・テクニック・理論は、プロコンを目指すうえで身につけるべき必修科目です。これからの企業診断演習で必ず活きてくるので、十分に復習するべきところです。

 引き続き、東松講師によるグループワーク「本質的原因の掴み方と効果的なヒアリング」が実施されました。経験の浅い頃は、目の前にある現象(結果)にとらわれてしまいがちです。その結果、真の問題点を見つけられず、誤った解決策を提示してしまいます。当塾では、企業診断における分析のプロセスを重要視する趣旨で、このグループワークを設けています。

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 まず講義により、「好ましくない結果を防ぐために、どのような取り組みをしてきたのかを確認することが重要」とのお話がありました。また、MECE(お互いに重複がなく、全体として漏れがないこと)な分析とするために、「心」「技」「体」の3つの観点でわけて考える方法の説明がありました。

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 その後、①「心」「技」「体」の観点で仮説を考えるグループワーク、②段階的に原因を深掘りしていくグループワーク、③ヒアリング時の深掘り力を鍛えるグループワーク、の3つのグループワークを通して、本質的原因を捉えたヒアリング力の向上を図りました。

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 討議後のグループ発表では、講師より「心」「技」「体」でアイデアの偏りがあれば、それが自身の思考のクセであり、万遍なく検討することが大切であることなどが指摘されました。塾生からは「難しいが、考え方がわかった」という声が多数聞かれました。こうした試行錯誤を何度も繰り返し、真因を探し出す能力を身に付けてもらいたいものです。

 本日最後のカリキュラムは、高越特別講師による第3講「中小企業特有の財務診断」です。中小企業の財務に関わるポイントから実務の裏側に至るまで、会計事務所での豊富な支援経験に基づいたお話がありました。

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 講義は、コンサルタントとして押さえるべき決算書の矛盾点、各数字の持つ意味、財務諸表で診るべきポイント、また数字に現れる経営者の考えにも及びました。あわせて、財務分析だけに留まるのではなく、「ヒアリングを通じて経営者の想いを汲み取り、SWOT分析で改善の方向性を確立することが重要」と強調されました。

 生々しい支援現場の話に触れ、皆さん、より興味を持って講義に集中したようです。

 密度の濃い一日の締めくくりは、企業診断演習の担当企業(業種)と担当講師が発表されました。今期より3名の修了生をアドバイザーとして迎え、講師とともに塾生を指導していただきます。 

 懇親会の席では、早速、担当講師・アドバイザーと初回訪問日の調整を行う塾生の姿がありました。

 講師から、「まずは、疑いを持たず、教えられたとおりにやってみることが、成長への近道になる」という言葉もありました。

 塾生は、これから担当企業と真摯に向き合う中で、どのように成長していくのか楽しみです。