修了後の取り組み

第5期修了 西本文雄さん

第5期修了の西本文雄です。

株式会社事成すの代表として、中小企業の年間顧問サービスを手がけてきました。現在は兵庫県よろず支援拠点のチーフコーディネーターも務めています。専門は製造業の現場改善と中小企業の経営支援です。今回は、プロコン育成塾を修了してからの歩みと、これからのことをご紹介します。

診断実習で感じた、本気の手応え

塾には、独立診断士を目指す方が数多くいらっしゃいました。私にとっても、この塾は独立の入口であると同時に、自分がどの道に進むのかを見極める場になりました。

塾では、講師のご紹介を受けて、実際の企業を診断する機会があります。私が担当した企業では、経営者の方も従業員の方も、診断という枠を越えて本音で向き合ってくださいました。こちらも遠慮せずに、現場の課題や経営の悩みに深く入り込んでやりとりを重ねました。

その結果、診断が終わったあとに、その会社から有償の研修を依頼されたのです。テーマは「品質管理の強化策と楽しみ方」。診断士としての「報告書を納める」立場から、「一緒に会社を良くしていく」立場に変わった瞬間でした。今でもその企業には定期的に伺っており、経営者や従業員の皆さんとは、近い距離で付き合わせていただいています。

このとき感じた手応えは、公的な支援の仕事ではなかなか得られないものでした。相手が自分に本気で期待してくださり、その期待に責任をもって応える。これを仕事としてやっていきたい。そう思っている自分に気づいたのが、この診断実習でした。

診断士とプロコンサルタントの違い

そこから、中小企業診断士とプロコンサルタントの違いが、はっきり見えてきました。診断士には、公的な支援業務を安定して、過不足なくこなす力が求められます。一方、プロコンサルタントの仕事は、自分でビジネスモデルを組み立て、集客から契約、継続、企業の成長まで、覚悟をもってサービスを提供する仕事そのものをつくる力が求められます。どちらが上ということではなく、求められる力と向き合い方が違うのだと理解しました。

前者の世界は、会社員時代に長く経験してきましたし、そこには私よりも能力の高い方がたくさんいらっしゃいました。同じ土俵で競っても、勝ち目は薄いですし、競争も激しい。ただ、自分に本気で期待してくださる経営者と一緒に、その会社の業績拡大に時間と能力を注ぎ込む。このやり方なら私は他の方々より必ず結果を出せると、自分を信じることができました。

塾は、競合分析の場でもあった

今になって振り返ると、塾は講師の先生方も含めた、大きな競合分析の場でした。 参加者や講師の方々が、それぞれ何を目的に動いているのか。その分布を眺めていくと、人が集まっている領域と、空いている領域が見えてきます。そのうえで、自分が何を目的に動くのかを決める。こうして、自分なりのポジショニングマップを完成させることができました。

民間で、年間顧問に絞って挑戦

ポジショニングマップから導いた答えが、年間顧問契約に限定した、深く入り込む顧問サービスでした。単発の助言で終わらせず、年間に数回のモニタリングというのでなく、1年を通して経営者の隣で、数字と現場を見ながら改善を積み上げていくスタイルです。製造業の現場改善で培った5S・QC・IEの経験が、ここで大いに生きました。

品質問題から立て直した、ある顧問先

印象深い顧問先があります。品質問題が頻発して受注が減り、業績が低迷していた製造業の会社です。顧問として入ってまず取り組んだのは、従業員の皆さんで複数のチームを編成し、一緒に問題解決に取り組むことでした。

そして、その成果を報告書にまとめ、営業担当者と一緒に取引先へ、対策案と成果を報告するスタイルを定着させました。品質の改善を、現場だけで完結させず、営業の場で取引先に伝えるところまでをひと続きの仕組みにしたわけです。

その結果、既存の取引先からは受注量が戻り、さらに新規のお客様の開拓にもつながるようになりました。そうやって5年間の限定でお引き受けしたきた支援は、この9月に無事卒業しました。成果が出たことは何よりですが、正直なところ、寂しさがつのりました。毎週のように顔を合わせた皆さんと、一緒に会社を立て直した時間は、私にとってかけがえのないものでした。

地域への恩返しとしての公的支援

現在は、50代最後の地域への恩返しとして、公的支援機関の責任者を務めています。県内の事業者の皆様のご相談に向き合い、コーディネーターの皆さんと支援の仕組みをつくる仕事です。自由度がとても高く、毎日楽しく取り組んでいます。 多くの事業者を見てきたからこそ、見えてきたこともあります。事業を支援する立場にいると、「自分でもやってみたい」という気持ちが自然に湧いてくるものです。

これから

公的な仕事は、あと1年半の予定です。その後は、再び民間に戻り、これまでとは違う仕事に挑戦してみたいと考えています。何をやるかは、これから考えます。この考える時間も、今は楽しみのひとつです。 最後に、これからプロコン育成塾で学ぶ皆様へ。診断士として公的に活躍する道も、プロコンサルタントとして民間で勝負する道も、塾での学びと出会いが、自分のポジションを見つける助けになるはずです。ぜひ一緒に、プロコンサルタントとして羽ばたいていきましょう。

プロコン育成塾にて

修了生の声ページに戻る